昨日、最近までマンガからやや遠ざかっていた話をしました。
私の非オタクの友達の様子を見ると、もうマンガは何年も読んでないとか、子供と一緒にテレビでは見るよとか(それアニメ!)って話ばかりです。彼女たちにとっては、女性向け週刊誌などの一画に載ってるのを読んだりはするけど、それが単行本にまとまったら買うというほどのものではないんですね。
思えば小学生の頃はクラスの女子は皆が一律キャンディキャンディに夢中で、キャンディ派かアニー派か、アンソニー派かテリィ派かで抗争が繰り広げられたものでした。中学生になったあたりで明星を買う派と花ゆめを買う派に分かれ、花ゆめ派も大学くらいになると、まだマンガ雑誌を買う派と回し読みで充分派とファッション誌に転ぶ派に分かれ…と、人生のステージが移り興味の幅が広がるにつれて、マンガは数ある嗜好品のひとつになっていきました。
かつてはクラスの女子全員で盛り上がったのにねえと思うと感慨深いですな。
そういう私はイライザ派→LaLa派→回し読み派…と、ややアウトサイダーながら終始一貫してオタクサイドにいました。いましたがそれでも、2度ほどマンガとの付き合いが希薄な時期がありましたっけ。
2度目は昨日書いたようにここ数年、1度目は大学生の頃です。
ありがちな話で恐縮ですが、義務教育から高校にかけて、マンガは抑圧された私の自我が逃げ込み燻る場所でした。
夢見がちな恋愛体質のくせに実際の恋愛には疎く、休み時間は教室の片隅でノートに落書きしてる長髪の小太りメガネ。まああ、我ながら、ひと昔前の学園ものに出てくる「クラスに必ずひとりはいるオタク少女」を具現化したような存在ですねえ。
そんなピュアオタク少女の顕現も大学に入学して、親元を離れたために抑圧から解き放たれ、サークル活動や恋愛に忙しく、まさに生まれてはじめてリア充の世界に触れてウォーターと叫んで弾けるの図で、かつて後ろ暗い気持ちで引きこもっていたマンガをあまり顧みなくなっていったのです。
マンガ描きの仲間が周囲に一人もいなかったことも大きかったかな。
その時点で更生しなかったのは、ひとえに将来はマンガ家になるという高校時代の無茶な宣言を引っ込められなかったためでして、そのくせ漫研には入らず同人活動に耽ることもなく、何年かに一度のゆるいペースで「青春の記念」と嘯きながら投稿をするくらい。私が投稿作を認めてもらってデビューしたのは、社会人になってからでした。
マンガ家になってから知り合った他のマンガ家さん達は、マンガを描くことが食べること寝ること同然の生理現象という、生き様に迷いはあってもマンガを描くことにブレはない人々ばかりです。まさにマンガの女神様が指を差した人達。
その点、私とマンガのつきあいには濃淡があり、振り返るとその紐帯はやや頼りなく、本来は非オタの友達のように自然と卒業し遠のくはずだったのかもなあと思います。
自然と卒業し遠のいていくはずだったのに、何度も引き戻したり戻されたりしつつこの歳になるまで寄り添っているというのも、何やら業が深い気がしますが。
てな感じで、私とマンガは肉親とか恋人ではなく、敢えていうなら腐れ縁?という、なんかこう、マンガの女神様不在感満載のトホホなところに話が落ち着いてしまいましたが、ともあれ、今の私は久しぶりにマンガを描くのが楽しいフェーズです。
この蜜月期間に描きたいマンガがたくさんあるんで、できるだけ長くうまく続きますようにー。